1. |
8月
04:18
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足が少し縺れて笑って過ごしている
リアリティのない繰り返し
明日になれば何か変わるのか
左利きの目は濁っている
仰向けの世界へ汗ばんで揺り起こされ
戻らない眩しさは掻き毟った記憶残す
閉じ込めた筈なのにずっと突き刺さっている
悟られないように直隠し歩いている
取り留めない日々を煙に巻くために
草臥れた煙草に火を点ける
噎せ返る熅れに覆われた八月の
陽射しが張り付いて耳鳴りのように残る
真っ青な空 晴れ過ぎたあの日に
追い付けなかった気持ちを繋いで
訳などなく塗り潰した時間と
擦り切れた焦燥が燻って疼いている
真っ青な空 晴れ過ぎたあの日に
追い付けなかった記憶を繋いで
繋いでくれ
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2. |
群像
02:47
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一切合切無駄
漂う心の隙間から
彷徨う体の隙間まで
置き去りにして
一切合切無駄
彷徨う心の隙間から
漂う体の隙間まで
置き去りにして
群像に紛れ込む 形のないままに
透明な隔壁は形もない
相対した筈でも抗わない振りして
群像の差異など誰も解さなかった
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3. |
Another Sunday
03:42
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愛想の乾き切った日に曖昧なぼんやりの中で
大概な選択は飲み干したサイダーの染料としよう
冷たさに目を開けて 感触が凝固した
海岸に寄せられるのは瓶入りのメッセージではなくて
影も形もないけれど其処彼処に感じるもの
白い風 泰然と開いたら交差した
どこから来た サンデーモーニング
どこへ行こう サンデーモーニング 当てなどない
あの海を凍らせて その域を飛ばして
どうでも良い サンデーモーニング
どうしようもない サンデーモーニング
どうかしている サンデーモーニング
知りたくない サンデーモーニング
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4. |
手を振る
04:13
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伸びた影を切り取る横断歩道
乾いた夢の続きは敢え無く途切れた
風が憂いを浚ってくれれば
声は冷めて重さを失うだけ
歩みを止められないならせめて忘れぬよう
無垢な太陽 懐かしい空に
朧げなまま 凍て付いた海に沈んでいった
これではまだ足りないから ほら剥がれ出す
塞がることはないから ただ眺めている
たった一度 終わりまでやり直す そう願う
変わらない物などないから
もう一度 終わりまで繰り返すだけさ
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5. |
Double Root
05:17
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焦がれるほど素敵に見えないし
一笑に付すほど不敵な質でもない
問われるほど切に行き詰まる
畢竟顧みるに始まりを違えた
やたら渇く喉を振り絞る術はあるか
見ろよ戯け出す様を 化けの皮を被るアルルカン
息を止めろ すっと潜るため
間に合わない だから尚更か
引き上げる気もない酸鼻な肉塊
交わらない思惟の向かう先
聞き飽きたゴールは分かち合わない
投げ遣られた賽は不吉な目を示す
何かを暗示したのか イメージを明示したのか
全て悖る 胚の前から
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6. |
Stigma
00:59
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(instrumental)
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7. |
逃げ水
02:38
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眼下 伸びる国道に架かる鉄橋の隙間
朝焼けの赤 胸を刺す
駆け下りるスピードで手を離したのなら
その両の目には何が映る
揺れる陽炎を潜り抜け見えないほど遠くへ
へたり込んで倒れるまで
呼び合う幼い声 記憶と照らしても
どこか彼方 過ぎ去っていく
逃げ水を追い掛け走る 日差しが傾き出す前に
高架下 交わしたこと 思い出せやしない
夕立の匂い 滲む汗
雨と共に立ち消えた幽霊の熱を
断ち切れずに探している
華やいだ気色も萎む 何かに似ているような空気
逃げ水を追う 日差しはまた昇る
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8. |
Fuse
02:25
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数秒で擦り抜けて戻らない形の意味は
邂逅を知らす声 薄膜の中 ひたすら浮かんで
最短で駆け抜ける 振り返ることすらしないで
回想を断ち切った濁るナイフ 鋒を此処にくれ
青の乱射 目を背けて
宙を舞った澄んだ鍍金 それだけ
青の傾斜 何で嗤って
壊れそうに何を見ていた それだけ 塞いでよ
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9. |
レンズ
03:53
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冷徹な夢 料峭の枷か
猜疑症状に拐かさる嘘が外気上昇に返照して爆ぜた
失透 レンズ 埋めて 失透 レンズ 凝り切って
平面図広げた 集積回路
残影の灯日
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10. |
東風
03:59
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階段を抜けた先に広がる世界
屋上を浚う風が春を告げる
どこまでも深く吸い込んで白く染まる
あの雲が途切れた時に生まれ変わる
白昼夢に落ちてもう一度透き通っていく
掌を翳す角度が重なっていく
時を止めて 崩れそうなこの瞬間に
坂道を駆け上がりながら弾ませる声
擽るように風の匂い 頬を撫でる
伸びた髪を掻き分けて未来を占う
舞う花弁 浮き足立つ心の色
桃源郷に染まるまでただ待っている
絡まった音は遠くに 静寂だけ
最後が来て崩れ落ちる その時まで
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11. |
LS/VX
03:14
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最終的に辿り着く場所は何も変わらないから
踠いたって縋ったって何か違ったのだっけ
空白を埋める数百の散乱した光
ちゃちな絶望が打ち砕いた淡い期待
サヨナラ 新世界
喧騒に幕切れを サイレンが響く
朝が来る前にここから離れなければ
二度と戻らない価値
最終的に辿り着く場所は何も変わらないから
祈ったその姿 誰が笑ったのだっけ
蒙昧な非道理に付き合う時はもう擦り落ちた
曖昧に増やしてきた道筋は塞がった
サヨナラ 新世界
喧騒に幕切れを 再会を誓う
行く先も告げずにどこへ向かうのか
知る必要などない
サヨナラ 新世界
喧騒に幕切れを 最果てで笑う
フラッシュバック あの赤
ただ遠ざかるのさ 明日の来ない街まで
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12. |
新しい夏
03:21
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浅い居眠り 淡い薄雲
微睡みの中で手招きしている顔に見覚えがある
一度潜り込んでみたその先
怖いもの見たさで這ってでも進め
世界を構成していたものをすぐに奪い返せ
これは癒えるのか 取るに足らないセンチメント
俺は塞ぎ込む振りをしていただけなのか
誰ももう本当のことは言わないで
水を掛けて流す論に縋る鴨の背中を蹴り飛ばす
深く考えることなど止めて
後を付いて回ることで精一杯
溜まった付けで動けやしない今を叩き潰せ
それは消えるのか あまりに情けない劣情
俺を支配する声の出所はどこだ
初めからずっとこのデッサンだったはずはないだろう
我が物顔で座り込む俺を引き摺り下ろせ
いつになったら消えるのか あまりに情けない劣情
俺を支配する声に抗い続けるのだ
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